かーずSPの戯れ言

かーずSP管理人が駄文を語ったりするブログ

「仕事で手を抜いても、その場ではなんとかなっても長続きしない」という製麺業的な一考察

今から書くお店は僕の作り話、ということにしておいてください。

自分の仕事は小麦粉を練ってラーメンの麺を打って、それを中華料理屋やラーメン屋に卸す仕事をしているんですが、あるお店が自由人の自由なお店でした。
マスターがスキーやパチンコしたいときは休んだりする不定期な営業形態で、一種類のとんこつ系ラーメンとつけ麺だけ出してたお店。

最初はすごく麺も出てたんですが、だんだん売上が落ちていって、ある時近所にラーメン屋ができると、そこにごっそり客を奪われたのか、最後の方は支払いも滞りまくって、閉店してしまったことがあった(という作り話)

最初は、休みたいときは休んで、お金がなくなってきたら働くというのはフリーターっぽいというか、そんな自由な生き方があるのかと感心すらしたんですが、まあ長続きしなかったんですね。外から見ると、色々と反省点は見えていて、

・最初の人気が上がって食べログで高得点の時に、従業員の拡張、教育や新しいメニューの開発など投資をしておくべきだった。

そんなに遊びたいなら、従業員を雇って教育すればマスターの休みも増えただろうし、近くに一軒のラーメン屋ができただけで客が取られる一種類のラーメンだけというのは、あまりにも対策しなさすぎだった(つけ麺はほとんど出てなかった)その資金もパチンコに消えてたかと思うともったいないなあと。まあ、客も食べに行ったらお店が閉まってた、それが数回続けば客足も遠ざかるのは当然で、信頼を失うのは自明。

まあ、二郎系のように一種類だけって戦い方もあったとは思うけど、それだったらコストをギリギリまで削るとか、可愛くて若い店員を雇うとか方策は必要だったろう(若くて可愛い女店員というのは大事な要素で、それで裏路地にあるお店が大人気という実例を知ってます。5人くらい交代でいて、アイドルグループみたいになっとる)


それとともに、やっぱり仕事に楽な道なんてなくて、毎日コツコツと技術や実績、信頼を積み上げていくことこそが大事なんだなと学んだ次第。

イチローが、毎日同じように歯を磨いたり練習もレフトに30本ライトに30本決まっている事をずっと毎日繰り返してるというインタビューを読んだんですが、そういう正しい方向へ日々努力したものが報われるのが仕事の世界、なんではないだろうか。


なんでそれを思い出したかというと、『劇場版響け!ユーフォニアム』のスタッフコメンタリーで石原立也監督が、一期で麗奈と久美子が花火を見るために登った山には、10回以上取材に行っていて、「一人で夜行ったら目の前に手のひらヒラヒラされてもわからんくらい真っ暗で超怖かった」って話されていて、あの名シーンを作るために、そこまで苦心して生まれたのがあの回だったのか、職人だなあと感動したので、「やっぱり仕事で手を抜いても、その場ではなんとかなっても長続きしないよね」ってことを今は亡きお店で思い出したので徒然なるままに書いてみた(フィクションですが)