「しょぼい起業で生きていく」(えらいてんちょう)感想
「しょぼい起業で生きていく」読了。
サラリーマンだからって、孫正義とか前澤友作を目指さなくてもいいじゃない。趣味を持って、楽しく生きていければ。
というのが私の人生の指針であり、社内競争とか吐き気がするほど嫌いな私が、「しょぼい」って言葉に惹かれて読んでみた一冊。
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これまでのスタートアップの流れ
「人と金を集めて、土地を借りて、事業をスタート」
するのではなく、えらいてんちょう氏は、発想が逆。
「店舗を住み処にして、店を開けていたら、人が集まってくる。それが結果的に事業につながっていく」
えらいてんちょう氏は「農家は儲からないというけど、農作物を育てれば、自分で食べる分は確保できるから生きていける。余ったら売れば、一石二鳥だし」という省エネ的な思考がユニーク。
つまり自分の生活や趣味、行動の延長線上に、稼げる商売があることを提唱している。
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趣味を仕事にすることも、その一種かもしれない。
例えば本を読むのが趣味の私ですが、
「しょぼい起業で生きていく」を読んだ、終わり!
ではなく、このはてなブログで紹介することで、アフィリエイトで5円でも10円でも収入があれば、自分の趣味・活動の延長に、わずかでもリターンが入ってくる。
えらいてんちょう氏が自宅兼店舗で寝っ転がっていたら、その辺に落ちてる服を売ってくれって客が出てきたように。
それに作者的には、自分の本の感想をネットにアップしてもらったら喜ぶと思うんですよね。これをえらいてんちょう氏が見ているかは不明、というか確率は少ないけど。
よく作家が「ファンレターや感想がエネルギーです」って言うのを、「またまた~、リップサービスでしょ?」ってナナメに見ちゃう人もいると思うんですけど……っていうかこれ、学生時代のひねくれていた頃の僕なんですけど。
でもその後、同人誌を作った時も感想がめちゃくちゃ嬉しかったので、その気持ちが理解できるようになった。
その面白い本の感想をネットで見かけた人が、読んでみて面白かったら、「レビュアー」「作家」「感想を読んだ人」、全員が得するwin win winの関係になるじゃん!
話が飛んだけど、眠っていたここのブログを、もう一度書いてみようと背中を押してくれるくらいには、「しょぼい起業で生きていく」に影響されました。
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でも、ですね。この本に書かれている、えらいてんちょう氏の実践を、まるっと真似しても、できる人は少ない。
だってこの人、めちゃくちゃコミュ力が高いんだもん。
近所とか周りの人に親切にしていたら、協力してもらえるようになり、椅子をもらいました。店番を変わってくれるようになりました。
なるべく他人と会話しないで生きていきたい、内向的な性格の俺にはハードルが高すぎるよ……。
そもそも、自分の生活空間に他人が出入りすることに強烈な抵抗があるんだから……。そんなプライベート空間、パーソナルエリアがなくても、ストレスを感じない人向けですよねっていう。
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ただ、僕のようなシャイな向けの仕事も一部を紹介していて、これまた参考になる。
これは一例ですが、夜中のホテルの受付。
深夜のカラオケでも漫画喫茶でもOK。そういう受付をしながら、本を読んだり、試験勉強したり。お金を稼ぎながら、好きなことができる。
要は、人がそこにいる必要があるんだけども、大して作業量が多くない現場は、探せば少なからずあると。
人生の時間が2倍使える裏技、なるほどなー。