かーずSPの戯れ言

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人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」(出口治明)感想


今年になってから、ずっと懸念していることがあります。

・これまでに買い続けた、視覚化されていない電子書籍の大量の積ん読
・セールのたびに買い込んだSteamや、プレイステーションストアのDLゲーム。
Amazonから届いてから、一度も開封していないアニメのブルーレイボックス。

死ぬまでに、全部読んで、プレイして、見ることができるんだろうか、と。

今の生活を振り返ると、仕事に追われていて、そんな時間は作れないんですよ。
むしろ、乗算で増えていっているんですよね……。
昨日よりも今日、今日よりも明日の方が、積んでいる本/未視聴アニメが増えているんですよ。バイバインかよ!

「老後の楽しみにとっておけばいいさ」

と、おおらかに構えていた時期が俺にもありました……。


ところが年々、加齢で、コンテンツへの集中力が持続しなくなっている自覚症状があります!
アニメのたった20数分が我慢できずに、ついスマホをいじっちゃったり、一旦停止してトイレに立ったり。

学生の頃は徹夜で「信長の野望」をやり込んだり、土日でアニメをぶっ通し観続けたりしてたのに!

つまり老後の楽しみに趣味をとっておいても、旅行などと同じく体力的問題で楽しめないんじゃないかなって強迫観念があります。

ちなみに、同じ理由でプラモデルを買い続けていた人の話で、定年退職したら老眼でパーツが見えずに全部捨てたという悲しい出来事も耳にしました……。


そんな人生について悩んでいる時に出会ったのがこちらの本。

人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」 (三笠書房 電子書籍)
人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」 (三笠書房 電子書籍)

本書は読書家である出口治明氏が、古今東西の名言を引き合いに出しながら、現代に生きる我々に繋がる「人生のヒント」をわかりやすく語っているもの。以下、自分なりに響いたことを覚え書き。


ダンテやマキャベリといった偉人ですら、左遷された経験がある。左遷された時に書かれた本が、「神曲」や「君主論」となり、後世に語り継がれる古典となっている。

つまり人生において、失敗は誰にでも起こる、自然なことである。

これを文章で読んだままでは「そりゃそうだろ」としか思えない薄っぺらい言葉なんですが、実際に歴史を振り返って、具体例を数多く知ることで、腹落ちしました。
今の社会って失敗を許さない空気感が蔓延しているじゃないですか。でも人生は山谷あるし、「人生の教養が身につく名言集」では「風が吹いていないときは、凧は揚がらない」
人生の追い風に逆らっても泥沼化するだけで、追い風というチャンスがくるときのために、準備しておくことが大事。

常にコンディションを整えて、食べて、寝て、いつチャンスが来てもダッシュできるように「I'm Ready」の状態にしておくというのは、万年寝不足の自分には耳が痛い話だ……。


これだけでも読んだ価値があったし、他にも実践したい名言がたくさん書かれていた。

「知識はインプットだけではダメ。勉強とはインプットとアウトプットがセットである。言語化することで、頭の中のタンスの引き出しを整理することができる」


仕事をしている時間は、人生の2~3割程度。残りの7割は食べて寝て遊んでいるだけ。にもかかわらず、その3割にすぎない仕事に振り回されて、人生を楽しめない人が多いという指摘はごもっとも。

だからこそ仕事は「最短の方法」を目指すという、具体的な思考法も書いてあって参考になる。


で、冒頭の人生と趣味の話に戻る。

現代の日本人は、老後の心配のために、がむしゃらにお金を稼いでいる人が多いと本書は指摘している。

「将来がなんとなく不安で……」

そういう人は、いくら貯金が貯まっても安心できないそうです。

しかし、何よりも大切なのはお金ではなく、健康であると出口氏は言う。
仮にお金がなくても、健康であれば働くことができる。
日本はこれから労働力が大幅に不足する時代を迎えて、今も人手不足が毎日のようにニュースで報じられているので納得。

であれば、老後対策の最たるものは、お金を貯めることではなく健康であること。健康でさえあれば、日々の糧を稼ぐことは難しいことではない、と説いている。

「お金を貯めるためにやりたいことを我慢するのは人生が楽しめない、人生がもったいない」

「お金は使った方が増えていく」とか、「人生を見つめ直すために年に一回遺言状を書く」とか、過去の偉人の名言を元に解説していくスタイルは、腑に落ちることが多かった。


などなど。
人生の教養が身につく名言集を読み終えてから、マジで人生これからどう生きるべきか、ということをずっと悩んでいるが、結論は出ていない。
会社を辞めれば収入は減るけど、ジジイになる前に積んでいた趣味を片っ端から減らしていくのは、オタクとして最高の生き方のように見える。

それで健康をキープさえできていれば、日銭くらいは稼いでいけるのではないか、とか。
趣味のインプットをアウトプットに繋げていけば、新しい仕事や進路が待っているかも、とか。

悩みを解決するために手にとった本なのに、余計にウンウン唸っている自分がいます…。
一つ言えるのは、もしも明日死んだら、「DEATH STRANDING」をプレイできず、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」を読み終えられないことを後悔しながら息絶えるんだろうなってこと。

人生の教養が身につく名言集―――「図太く」「賢く」「面白く」 (三笠書房 電子書籍)