かーずSPの戯れ言

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今季のアニメもオープニング映像が気持ち良い件+α

今季のアニメもオープニング映像が気持ち良い件+α

アニメのオープニングって、ハイテンポな曲に合わせて映像がシンクロして、それを見るのが快楽ってのがあります。
で、この秋も「これいいわー」と繰り返しHDDレコーダーの寿命を縮めながら繰り返し見てる映像をご紹介。

ユーリ!!! on ICE(音出ます)」第一話のOPを見た時、何が起こってるか理解不能でした!
寸分狂わぬシンクロで踊りつづける勇利くんたち。
「え?アニメってこんなに動くもんなの?」という驚きしかなく、「これはなにかすごい事件が起こっている!」と本能で実感。
その後、本編で勇利が一曲フルでアイススケートをするに至って、それが間違ってなかったことを理解しました(初見では口をポカーンと開けて見入ってしまった)
おそらく後世の歴史に名を残すであろうアニメですよね。その伝説のスタートがこれでした。

ガーリッシュ ナンバーのオープニング.あえて色を減らして原色を印象的に使っていて、ポップな雰囲気が曲調と合っているんですが、オススメポイントはサビ!!
単色の声優が、一人づつ演技していくたびに色がついていく。それも口元から円状に、音の広がりを視覚的に表現しているのが見ていて気持ちいい~~っ!
仕草も一人ひとり個性があって、万葉のかっこいい振り付けが痺れるわー!
ちなみにそのあと、5人が指を合わせて星型を作るんですが、「万葉お前そんなキャラちゃうやろ!」と京みたいにツッコミましたが、先週と今週の放映で万葉が一皮むけた感じになって、ちょっと性格も丸くなったので、このオープニングもなおさら僕の中で価値がアップしました。

アニメのオープニングとしては王道の作りをしている「フリップフラッパーズ」なんですが、王道ゆえの気持ちよさが詰まってるんですよ。
最初は不穏な映像で「何だこれ?」と思わせて、土管でうつむくココナとか、暗いな~と思わせておいて、サビで一気に大爆発!
ミサイル、光、意味不明な生物、ととにかく説明する気がまったくない!
まったくないが、「ピュアイリュージョン」というなんでもありの世界を全身で表現している。
でも最後はパピカとココナが笑いながら草原を走っているんで、なんとなく終わりよければすべて良し。置いてきぼりの挙句に、丸め込まれている感じも、なんだかいい意味で「やられたなぁ、じゃあ見てやるか」って気持ちにさせられる(←どんだけ上から目線)。

例外1
毎週楽しく見ている装神少女まといなんですが、ロリな巫女さんの草薙ゆまがついに変身できるようになるんです。そこまではいいんですが、その翌週、オープニングを乗っ取るという暴挙に出たのがこの動画の後半部分。
しかもこの『装神少女ゆまちん』の作りが、顔を切り貼りしたように上から被せるだけっていうね………もう、雑!
最後の、まといのツッコミまで含めて大笑いしました。
ゆまちんはとにかくポジティブ全開で、どんなピンチになってもおバカさんなんですが、それが作品の明るさにもなっているムードメーカーで、こういうお遊びは最高!

例外2
オープニングも好きなんですが、注目すべきはこちら。
オーケストラをまるまる一曲映像化してるんですが、なんとこれ、出してる楽器の音と指がちゃんと同期してるんですよ!

「当たり前だろバカ」って思われるでしょうけど、アニメというのは現実で簡単なことほど実現するのが難しい(人が歩いてる時の脚の動きとか)と言われてます。
なのに、それを複雑な楽器演奏で運指をすべて描写するとか、あ、ありえねぇ~~~っ!!

さらに良いのは、演奏と物語が合致してるところで、例えば鎧塚みぞれが心を開いて希美と和解したことで演奏に艶が出てて、みぞれのソロパートの情感豊かな演奏(この動画で4分30秒くらいのところ)は、素人の僕ですら「良くなった」と気づいた。それから裏の希美へのカメラ移動もいい。
また、久美子が一期で「上手くなりたい!」って橋の上で悔し泣きしていた、弾けなかった難しいパートが弾けるようになって、それを演奏で成功させる(5分17秒あたり)と、滝先生の口元が若干ニヤリ。秀一とあすか先輩も視線だけで、「久美子やったな!」感を出していて、今までのドラマがこの演奏シーンに詰め込まれている。
あと泣けるのは、モブの子たちが楽譜に合宿の写真(コーチとピースしながら撮ったりしてる。この動画だと4分18秒から)を貼り付けてます。
彼女たちにとっては「練習キツかったけど楽しかった合宿の思い出」くらいの気持ちなんでしょうけど、僕ら見ている大人にとっては、それはかけがえのない青春の、一生の宝物だと知ってるわけです。だけど彼女たちはそれを知らないまま、今の一瞬にすべてをかけて演奏している、その刹那の輝きに涙します。

例外3
注意:映像内に『君の名は。』ネタバレあり
今期アニメというか夏の終わりに公開された劇場用アニメなんですが、曲と映像の同期というと、この特別に編集されたMusic Videoは珠玉の予告編なので外せない。
「砂時計」「教室」「電車」などの歌詞に合わせた映像運びもうまいんですが、1分40秒あたりの、へその緒や髪にハサミを入れる、ところからサビまで全部、映画館で大泣きしていたシーンのダイジェストなもんで涙腺決壊、名シーンだらけだね。

『君の名は。』二回目観てきた(ネタバレあり)

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君の名は。』二回目観てきた(ネタバレあり)

はぁーーーーっ、もう最高しかないんですけど。

という今世紀最大級のアニメなんですが、一回目は、目まぐるしく変わるストーリーと映像美に圧倒され続けて、気づけば終わっていたというジェットコースター感覚だったので、今回は、小説の外伝『君の名は。 Another Side:Earthbound

新海誠監督の過去作品を、エロゲのOPから大成建設のCMまで含めて全部見てから挑んだので、一回目は驚きだとすると、二回目は答え合わせって感覚で見ようと決めてました。

まあ、また圧倒されたんですが。(我ながらチョロイン)

冒頭の三葉と四葉の舞いで、上から流れるように下ろしていく仕草が1200年前(あるいは二度目の彗星落下の予言)の彗星を示しているのとか、気づいた瞬間、うわあーって声出しそうになりましたよ。

それにしても映画館って、笑えるシーンでも声出しちゃ駄目ってルール辛いんですけど。瀧の入った三葉が泣きながらおっぱい揉むシーン、大笑いしたいんですけど。
あ、あとバスケシーンのノーブラも今度はちゃんとチェックしましたよ! 初見のときは、三葉が運動神経良くてシュートを決めたから男子達がガン見してるんだと思ってたんですがノーブラがバレてたとか。

エロさといえば、奥寺先輩が寝てる時に黒いブラしてるのとか、自転車こぎでパンチラとか、意外とサービスシーンが散りばめられているのね。奥寺先輩という年上の憧れ的存在といえば『言の葉の庭』の雪野先生(notユキちゃん先生)なんですが、部屋で二人きりになって「先生のこと、好きかもしれない」っていうあの空間が「エロ」じゃなくて「官能的」だと感じたんですね。セクシーとも違うかな。

で、奥寺先輩と司にもそれっぽい艶やかさを感じてて、なんか旅行中二人ずっと仲良しだし、モノローグだけで、「奥寺先輩と司は喧嘩したのか別々に東京へ戻った」って結果だけ説明してるけど、「二人に何があったんだー!!」って悶々と気になってしょうがない。 あ、同人作家の皆さん!冬コミにするならここの行間ですよ! 奥寺先輩のエロエロな同人誌を以下略

追記:これTwitterで教えてもらったんですけど、記憶を失った瀧くんが、一人で帰宅した理由を覚えてないから、司・奥寺先輩と自分が喧嘩したのかなってあいまいに間違ってるってことなんですね。

ってことは、奥寺先輩の指輪の相手って司なん? 奥寺先輩が地方ってことは遠距離恋愛だとか?とか別の疑問が浮かんでくる。



にしても新海誠作品に共通するのは、観終わった後の自己不全感、喪失感が強烈に襲ってくるんですけど、どうしましょうこれ。
ふだん僕らが過ごしてきて、なんとなく何かが欠けている感じ、物足りない感じ、本当のわたしはこうじゃない感というんでしょうか、思春期の頃の万能感の裏返しなんですが、そういうロストした気分が余韻として残るのは切ない。

人間ってのは年齢を重ねると、感受性が鈍くなってくるので、生きていてそういう息苦しさは減っていくんだけど、優れた青春ドラマというのは、その古傷をえぐってくる、もう一度、自分について考えさせられるんですね。
自分が生まれてきた意味はなんなのか、今、何をなすべきなのか、とか悶々と哲学の領域になってくる。

我ながら、ずいぶんとめんどくさいもんを大好きになっちゃったなあと苦笑いしつつ、また次も映画館に行こうと思ってます。

「仕事で手を抜いても、その場ではなんとかなっても長続きしない」という製麺業的な一考察

今から書くお店は僕の作り話、ということにしておいてください。

自分の仕事は小麦粉を練ってラーメンの麺を打って、それを中華料理屋やラーメン屋に卸す仕事をしているんですが、あるお店が自由人の自由なお店でした。
マスターがスキーやパチンコしたいときは休んだりする不定期な営業形態で、一種類のとんこつ系ラーメンとつけ麺だけ出してたお店。

最初はすごく麺も出てたんですが、だんだん売上が落ちていって、ある時近所にラーメン屋ができると、そこにごっそり客を奪われたのか、最後の方は支払いも滞りまくって、閉店してしまったことがあった(という作り話)

最初は、休みたいときは休んで、お金がなくなってきたら働くというのはフリーターっぽいというか、そんな自由な生き方があるのかと感心すらしたんですが、まあ長続きしなかったんですね。外から見ると、色々と反省点は見えていて、

・最初の人気が上がって食べログで高得点の時に、従業員の拡張、教育や新しいメニューの開発など投資をしておくべきだった。

そんなに遊びたいなら、従業員を雇って教育すればマスターの休みも増えただろうし、近くに一軒のラーメン屋ができただけで客が取られる一種類のラーメンだけというのは、あまりにも対策しなさすぎだった(つけ麺はほとんど出てなかった)その資金もパチンコに消えてたかと思うともったいないなあと。まあ、客も食べに行ったらお店が閉まってた、それが数回続けば客足も遠ざかるのは当然で、信頼を失うのは自明。

まあ、二郎系のように一種類だけって戦い方もあったとは思うけど、それだったらコストをギリギリまで削るとか、可愛くて若い店員を雇うとか方策は必要だったろう(若くて可愛い女店員というのは大事な要素で、それで裏路地にあるお店が大人気という実例を知ってます。5人くらい交代でいて、アイドルグループみたいになっとる)


それとともに、やっぱり仕事に楽な道なんてなくて、毎日コツコツと技術や実績、信頼を積み上げていくことこそが大事なんだなと学んだ次第。

イチローが、毎日同じように歯を磨いたり練習もレフトに30本ライトに30本決まっている事をずっと毎日繰り返してるというインタビューを読んだんですが、そういう正しい方向へ日々努力したものが報われるのが仕事の世界、なんではないだろうか。


なんでそれを思い出したかというと、『劇場版響け!ユーフォニアム』のスタッフコメンタリーで石原立也監督が、一期で麗奈と久美子が花火を見るために登った山には、10回以上取材に行っていて、「一人で夜行ったら目の前に手のひらヒラヒラされてもわからんくらい真っ暗で超怖かった」って話されていて、あの名シーンを作るために、そこまで苦心して生まれたのがあの回だったのか、職人だなあと感動したので、「やっぱり仕事で手を抜いても、その場ではなんとかなっても長続きしないよね」ってことを今は亡きお店で思い出したので徒然なるままに書いてみた(フィクションですが)

吉川優子が可愛すぎて、死にそうなほど惚れ込んでいる件

響け!ユーフォニアム1~2の4話までのネタバレあります。
それとこのエントリは、私の吉川優子への愛しか語られておりません、超個人的な重たい心情なのでご注意下さい。


連日のように、劇場版『響け!ユーフォニアム』からの、『響け!ユーフォニアム2』の4話、5話リピートおじさんと化してるわけですが、繰り返し見ていくうちに、強烈に好きになった子がいます。
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吉川 優子

「高校生になってそのリボンかよ!」って少女趣味なところをツッコんだり、物語の賑やかしキャラくらいにしか思ってなかったんですが、いやいや! 優子のポテンシャルは予想以上に高かった。

アニメ1期の後半。彼女は「滝先生と麗奈が以前からの知り合いだから、贔屓している」という噂を流し、せっかく決まっていた吹奏楽部のレギュラーに異議を唱えて、士気を下げてオーディションのやり直しという貴重な時間を奪っています。
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ここまで書くと空気の読めないウザキャラなんですが、すべて敬愛する中世古香織先輩に、ソロパートを吹かせたいがための所業。全員の前での公開オーディションでも、香織先輩は自ら「ソロは麗奈が吹くべき」と敗北宣言して、優子は号泣します。

また2期4話では、「私には希美しかいない。拒絶されたら……」と弱り果てて壊れかける鎧塚みぞれに怒りの両頬バチン→ムニムニ→押し倒し&激昂のコンボを決める!f:id:karzusp:20161120113922j:plain

「バカ! あんたマジでバカじゃないのっ!?」

みぞれにとって、今までの部活動は希美だけじゃなく、優子とも友達になって、コンクールで金を取ったときの喜びも本当はあった。それに気づかせてみせた。


優子は喜怒哀楽、特に怒りが目立っているし、主人公・久美子と麗奈にとっては「敵」役で、久美子も優子に「わたしのこと、ひょっとして嫌い?」「嫌いというか苦手というか……」って言ってて否定しなかった。

見ている我々も、優子への印象は良くないかもしれない。「一期で優子は予想以上に視聴者に嫌われたので、二期4話が原作よりもマイルドになっている」という話もある(響け!ユーフォニアム2 4話感想 「めざめるオーボエ」 デカリボン 吉川優子について - 時の魔法とclosing

けれど、優子はいつだって、香織先輩のため、みぞれのために怒っている。麗奈に頭を下げて、「バレたら私のせいにしてもいいから」と八百長まで持ち替えてまで、香織先輩のためなら、自分が傷つくことは厭わない。

自分は何言われてもいいから他人のために怒れるとかシャンクスかよ、カッコいいわー!

つまり熱血主人公タイプなんだよね、盗み聞きがバレそうになって、カエルのように壁に張りつく久美子よりよほど主人公らしい(笑)
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これに気づいてからというもの、吉川優子に惚れ込んでしまって、彼女の言葉を借りるなら「もう優子ちゃん、マジ天使~!」状態。インターネット黎明期だったら、ジオシティーズでファンサイト作ってるレベル。

確か、大沢在昌先生の『小説講座 売れる作家の全技術』(Kindle)だったかな、「優れた作品は多重構造になっていて、いろんな角度から楽しめる」という意味のことをおっしゃっていたが、『響け!ユーフォニアム』はもともと群像劇なこともあって、「久美子ー麗奈」視点のみならず、「久美子ー斎藤葵(受験で辞めていった子)」「葉月ー秀一ー久美子(恋愛三角関係)」など多角的に物語が進行している。

その中でも、吉川優子の視点に注目すると、同じアニメなのにもかかわらず、また違った景色が見えるのが衝撃的だったというお話。