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かーずSPの戯れ言

かーずSP管理人が駄文を語ったりするブログ

たぶん最速!『響け!ユーフォニアム2』劇場版の発表もあった、『響け!ユーフォニアム2』スペシャルイベントレポ

響け!ユーフォニアム アニメ

2017年3月12日、メルパルクホールで開催された『TVアニメ『響け!ユーフォニアム2』』のスペシャルイベントが、昼と夜、二回公演で行われた。

そこで発表された2017年秋、劇場版第2弾制作決定!



さらに6月4日に宇治市文化センター 大ホールでのイベント開催も決定。出演は、黒沢ともよさん、朝井彩加さん、豊田萌絵さん、安済知佳さん、藤村鼓乃美さん、山岡ゆりさん、種﨑敦美さん、石谷春貴さんという豪華なメンバーだ。

そんな大発表で賑わった『響け!ユーフォニアム2スペシャルイベントの内容をレポートしよう。

※メモから起こしてるので、色々と不明瞭な部分があります、ごめんなさい。

昼の部


昼の部の開始とともに、白いドレスに身を包んだTRUEさんが勢い良く飛び出して、冒頭からサウンドスケープを熱唱して観客を大いに盛り上げつつ開演した。


続いて出演者の黒沢ともよ黄前久美子 役)、朝井彩加加藤葉月 役)、豊田萌絵川島緑輝 役)、安済知佳高坂麗奈 役)、寿 美菜子(田中あすか 役)、早見沙織小笠原晴香 役)、茅原実里中世古香織 役)、中村悠一(橋本真博 役)、櫻井孝宏(滝 昇 役)(並びは左順、敬称略)に順に登場。

黒沢さんは赤いワンピース、安済さんは青シャツに白いスカート、あすか先輩役を意識してか、寿美菜子さんのメガネ姿にはグッと来ましたね!

櫻井孝宏さんもメガネにスーツ姿で、やはり滝先生らしい衣装にはニヤリングが止まりません!

茅原実里さんの「素敵な思い出作りましょう~~」という香織先輩のエンジェルボイスで、最初のコーナーが始まった。


題して「北宇治絆力選手権」、ボックスから役者名を書かれた紙を引き、出て来るお題に沿った回答を他の主演者が当てるというものだ。

櫻井孝宏さんが言われて嬉しい言葉は何?」ではおしゃれソックスが似合うとか、眼鏡が素敵とか色々出てくる中で正解は浅井さんが当てた「すごい」。

中村悠一さんは何をしてる時間が好きか?」で、みんなが「杉田(智和)さんと遊んでいる時」「杉田さんと一緒にいる時」など、「杉田さん」を頭につけてることに爆笑。答えは、これまた浅井さんが正解した「課金」でした。ガチャして楽しいのは5分くらい、10分後には怒りに変わるそうです。

「寿 美菜子さんが好きな野菜は?」黒沢ともよさんが当てたんですが玉ねぎでした。

早見沙織さんがハマっているものは?」先月急にハマったというヒントのこちら、答えはテニスの試合鑑賞でした。

安済知佳さんお嫌いな食べ物は?」正解はさつまいもの天ぷら。さつまいもは好きなんだけど、揚げ物が嫌いだそうで。

豊田萌絵さんが仲良くなれるタイプの人は?」バカな人、変人が正解。今もヤマンバのメイクしてる友人がいるそうです。

その後も黒沢ともよさんのストレス発散法は料理を食べる事」「茅原実里さんの短所は物忘れが激しい」などトークに花が咲き、優勝したのは最初2問と最後に当てた朝井彩加さんが、優勝賞品として「チューバくんとツーショットを撮る」権利を獲得

足が短いのでキグルミのチューバくんがよちよちと歩きながら登場してきてのツーショットを撮影してコーナーは終了した。


次が朗読劇で、なんと洗足学園音楽大学フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルとのコラボレーション! 後ろには4,50人の生徒たちが入場。キャスト全員がその前に一列に並んで、それぞれ台本を持ちながらお芝居を演じた。

内容は「響け!ユーフォニアム2」の第七話「えきびるコンサート」の前日譚で、トランペットパートで麗奈と香織が言い争っている。
部長「どうしたの?」

香織「わたし、どうしてもこれだけは譲れないの」

部長「ソロパートの件で揉めているの?」

香織「いいえ。唐揚げには醤油が一番なのよ」

麗奈「違います、塩が一番です」

というやり取りには会場も大いに沸いた。さらには忍者ネタに食いつくあすか先輩も。

そして駅ビルコンサートのシーンでは、実際にフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルのオーケストラで「宝島」を演奏!
これがもう、ユーフォの世界観からシームレスに吹奏楽の生演奏へ繋がるものだから大感動!

むろん、部長のバリトンサックスのソロも女性が高らかに吹き上げていましたよ!

さらに本編では学園祭で流れていた「学園天国」も演奏されてました。

演奏後、実は会場に見に来ていた橋本先生が、滝先生をお食事に誘う。そこでもラーメンは塩か、醤油かで喧々諤々の大論争。またしても大笑いしてしまった。

一方の久美子たちも、あの駅ビルコンサートの後に豆大福を食べに行ってたんですね。別れ際、あすか先輩を呼び止めるが、何も言えない久美子。

あすか「また部活でね」

という言葉をそっと胸にしまって葉月たちに合流するのだった。


さらに洗足学園音楽大学フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルの演奏は続く。

ここで『三日月の舞』を生音でフルに演奏!! もう私の人生では二度とないかもしれない『三日月の舞』の生演奏、一生の思い出として心に刻んでおきました。




アニメと違って俯瞰して見られるので、この部分ではどのパートが演奏しているのかがすべて見えるのは新鮮でした。アニメだとどうしてもアップになるから、他のパートは何してるんだろうって気になるんですよね。


次に三年生組と先生が登壇。中村悠一さんはユーフォニアム経験者ということで、先程の『三日月の舞』も当時を思い出して緊張が伝わってきたとのこと。

中学当時は自分のせいで失敗したんだけど、「決まるとあれだけいいんだな!」とフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルを絶賛。

櫻井孝宏さんは「作品を通して指揮者を見てきたけど、タクトを振るのはすごいことだ」と感心してました。

それに指揮者の表情が変わることにも注目。「滝は表情が出ないほうだけど、部員だけがきっと(滝のわずかな表情の変化が)わかる。それは長い時間を一緒に過ごしたからだろうね」とファンに嬉しい感想を語ってました。


ここでもう一回TRUEさんが登場して、フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルとのコラボで、オーケストラ版の一期OP「DREAM SOLISTER」と二期OP「サウンドスケープ」を熱唱!

TRUEさんいわく「ライブは生もの、(フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルさんとは何度も歌いましたけど、)どんどん変化するので毎回違うんです」とおっしゃっていた。



吹奏楽が奏でる曲に合わせて、TRUEさんの声の伸び方も2倍くらいで、歌い方を変えていたのが印象的でした。

ちなみにこのオーケストラ版「サウンドスケープ」は二期のサウンドトラックに収録されています。


そして北宇治カルテットの4人が制服姿で登場。アニメロサマーライブの時の衣装だそうで、同じ制服でも特別版として金の刺繍でキラキラ輝いてました。

この4人が出るとなるともちろん歌うのは「ヴィヴァーチェ!」と「トゥッティ!

観客の熱量も一気に最大ボリュームへ、特に「トゥッティ!」「高揚感!」などサビの一部をコール&レスポンスして会場は一体となった。



そのまま出演者たちが全員登壇して櫻井さん司会のもと、6月4日に宇治市文化センター 大ホールでのイベント開催が決定したことが発表されて大きな拍手が沸き起こった。

エンディングでは一人ひとりキャストがイベントの感想を述べた。メモ書きなので断片的です、すいません。

櫻井さん「生の吹奏楽がよかった」

中村さん「京アニの人に聞いたら、『最初、楽器は一度モデリングすればいいから作画は楽だと思っていたら、それでは駄目で、無機物だけと生きてる。だから息を吹けば膨らんだりしている。そういう作画の細かい工夫をブルーレイで何度も繰り返し見てください」

茅原さん「超楽しかった!贅沢な時間でした」

早見さん「エネルギーがすごい。」


そして部長らしく、「皆さん、ご唱和ください。北宇治ファイトーーーッ!」

「オオーーーーッ!」

と一斉に掛け声が鳴り響き、会場中が一体になった瞬間だった。

寿さん「放映終了してから三ヶ月経っているのに、こうして来てくれて本当に嬉しい」

安済さん「いろんな時間、言葉を想いに変えて~~(メモが読めず)」

豊田萌絵さんも聞き取れずごめんなさい。

朝井彩加さんは「大きなパワーで盛り上がったこと、5話の12分ノーカット演奏を生で聴けて嬉しい」

黒沢ともよさん「熱のこもった演奏を聴けてよかった」


ここで「イベントも『来年』ありますし……」と言い間違えてざわつく会場。来年に向けて新展開あるのか?と期待しちゃいましたね。

イベントレポ、まだ夜の部へ続きます↓


夜の部
ここからは、夜の部でしか起こってないことを中心に書き起こします。昼の部と共通しているところは端折りますのでご了承ください。


冒頭からのTRUEさん大熱演。コールの大きさは夜の部の方が大きくて、二回目の参加者も多いからか、慣れてきたって感じでしたね。

そしてキャストが全員登壇してきて、櫻井さんは「『なんですか、これ』って私に言わせないように、みんな盛り上げてね」と滝先生の声でファンサービスで大きな拍手が起こった。

それと黒沢ともよさんがトークをミスった時に、すかさず豊田萌絵さんがフォローして、楽屋で食べたカレーが美味しかった話をして、


会場でも、生で「みどりカレーだいすきー!」を言ってくれたーー!

フリートークは、中村悠一さんが中学時代に吹奏楽をやっていた話をさっきより深く掘り下げていた。

「トランペットをやりたかったんだけどすでに埋まっていて、ユーフォニアムは形が似てるって言われたんだけどやってみると難しくてね(笑)」

ユーフォニアムを少しやった黒沢さんもそれには同意されてました。


会場に「吹奏楽やってた人ー」と聞いたらちらほら経験者もいましたね。そしてチームモナカ代表の朝井彩加さん仕切りで「北宇治絆力選手権」がはじまりましたが、お題はすべて昼の部と変わってました。

中村悠一さんが似ているって言われる動物は?」ラッコ、アライグマなど言われてましたが、正解はクマ。

櫻井さんが「俺もクマやってた」と「しろくまカフェ」ネタをぶっこんでました。

早見沙織さんが自分でチャームポイントだと思う所は?」じゃあ子供の頃からの体の部位ってヒントで、正解は癖っ毛。小学生の頃、パーマかけてないって証明書を学校に提出してたそうで。

櫻井孝宏さんが昔から変わってないところは?」安済さんだったかな、「男」って答えて大爆笑。もうそれでいいよって正解になってました。

朝井彩加さん、今の自分に一番必要なものは?」冷静さが正解。

黒沢ともよさんが朝起きて一番最初にすることは?」ぬかみそをかき混ぜる、が正解。他の人がトイレは?味噌を混ぜる前にトイレ行けよ、などツッコミ入ってました。

寿美菜子さん、好きな季節と、その理由」これは瞬時に正解が出ました、秋、生まれた季節だから、とのこと。

茅原実里さん、生まれ変わったら何になりたい?」悩んだ挙句に職業ってことにして、正解は漫画家。

安済知佳さん、10年後の自分にいうことは?」誰かが「滝、命!」と答えて大笑い。正解は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

優勝は同率で、安済知佳さん、茅原実里さん、寿美菜子さん」なので、チューバくんと4ショットを撮影して終了。


朗読劇も完全に同じではなく、冒頭の麗奈と香織の争いは「目玉焼きに何をかけるのか」で、またしても塩と醤油で言い争う二人

朗読劇の間に挿入されるフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルの演奏ですが、夜の部の方が上手でした。やっぱり慣れなんですかね。

それと「学園天国」で手拍子がかかったのは夜の部だけ。昼の部では、オーケストラに拍手を入れることに躊躇していた感じでした。

朗読劇の後半、滝先生と橋本先生の論争もラーメンから唐揚げになっていました。そして久美子がナレーションで「おろしポン酢です」と、あの口調でボソリと語ったところもオモシロポイントでした。

また麗奈が塩派で、滝先生の醤油派という意見の食い違いについて麗奈は「だからこそ良い家庭が築ける」とメゲない一言に会場からは暖かい応援の拍手を贈った。サファイアの「ポジティブシンキング、大事です!」の台詞も上手い。


フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルによる生の『三日月の舞』は、何度聴いても感動がすごい!!!

しかも私の場合、アニメの映像とフラッシュバックしてくるので、例えばみぞれのソロパートではみぞれが、麗奈のソロパートでは麗奈のブレス音まで聴こえるかのよう。

久美子が吹けなくて悔し泣きしたあの難しいパートも、フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルは綺麗に演奏されていてなぜかホッとしたりと、共感しまくりでした。


三年生組と先生二人のコーナーでは、「滝のタキシード」ってダジャレがなぜか流行してました。どんな会話の流れだったがど忘れすいません。

茅原さんは演奏を聞いて胸がいっぱいになったそうで、麗奈とソロパート争いをした時の気持ちが蘇ってきたそうです。「負けて悔しい、でも麗奈に託した気持ちもあって」と感極まりながら話されていてこっちも涙ぐみました。

その後は櫻井さんが恐れ多くも指揮者の台座に登り、チューバくんの指揮棒で真似事をしてみたりして。

TRUEさんとフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルのコラボもばっちり昼と同じく決まってましたね。終演後に「私の人生を変えてくれた作品となった」としみじみと語っていました。



アニサマ仕様の北宇治カルテットの4人が登壇してきた時のトークは、黒沢さんが「サウンドスケープ」のリハの時、「そして次の曲がはじまる」って歌詞が心に刺さって、特に2期のオープニング曲はよりキャラに寄り添ってくれるのが良いと。

TRUEさんはそれに対して「自分で書いた曲に自分が励まされていました(笑)」と嬉しそうにおっしゃっていました。

あとは「チューバくんはこの後クリーニングに出す」って言ったら失言だったらしく、「いやいやお風呂に入るんです」と世界観を壊さないような配慮も。


エンディングでは北宇治カルテットの四人を褒める男性二人。「ちゃんと視線を合わせて、笑顔で踊ってるんですよ!」

4人のうち誰かが(黒沢さんだったかな?)「リハの時は恥ずかしいけど、本番になるとちゃんとできますね」とのこと。

茅原実里さんは「『ユーフォニアム』は私にとって特別な作品です」、寿美菜子さんは「サイコー!」など感想を語り合っていると、ここでムービーが流れてきた。昼の部とは違う導入部に、会場中がざわめく。そこで流れたのがこちら。

ホールが割れんばかりの大歓声が鳴り響いた瞬間である!!!

カルテットの4人も泣いてました。

最後の言葉は、TRUEさん「一生忘れない思い出」

櫻井孝宏さん「(フレッシュマン・ウィンド・アンサンブルの)素敵な曲を聞いて、芝居をする。この臨場感はなかなかない体験でした」

中村悠一さんは昼の部と同じく京アニの作画について。

茅原実里さん「いつもユーフォのイベントは涙腺がゆるむ。それはファンの気持ちが強いから」

早見沙織さん「劇場版の告知のあと、みんなの喜びの声がきけてうるっとした。これも皆さんの応援あってこそ。まだ終わらないよ」

そしてお決まりの「皆さん、ご唱和ください。北宇治ーー、ファイトーーー」

会場「おおおーーーーーっ!」

寿美菜子さん「劇場版って聞いた時、ワクワクしてきた、皆さんの歓声が届いた結果、その想いが嬉しいです」

そして「劇場版に、カモーン、ジョイナース!!」とあすか先輩らしい〆。

安済知佳さん「(劇場版には)言葉が出ません。制服も精神的にギリギリで、一番年上なので(笑) でもこの制服を着ると麗奈を感じる。ユーフォ愛を皆さんと共有できて幸せです。麗奈とまた一緒に生きられるのが楽しみ」

豊田萌絵さん「劇場版の告知はみんなと同じ気持ちで見てました。今日でこの作品の卒業を意識してたんですけど、まだ続くのでよろしくお願いします!

朝井彩加さん「アニメジャパンの時に、『青春を終わった皆さん、また青春をしましょう』って失言したんですけど(笑)、また葉月として青春します。コングラチュレーション!!」

黒沢ともよさん「朝、サウンドスケープのリハで『そして次の曲が始まる、奇跡を起こせ」って歌詞が心に刺さりました。
劇場版をやるのはこの時に聞いて、奇跡が来ちゃったって。
プレッシャーもあるんですけど、ヴィヴァーチェ!で泣いちゃって、朗読でも噛んじゃいました(笑) 緊張するとそうなるらしいです。これからも響け!ユーフォニアムの応援をよろしくお願いします!」


黒沢さんはじめキャストの皆さん、そしてフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルに向けて、メルパルクホールに響き渡る大歓声と、鳴り止まない拍手。長い昼夜合わせると4時間に渡るスペシャルイベントは終演しました。

関係者ツイート





『人馬 (一) 』 墨佳遼 著 感想

漫画

人馬 (一) 墨佳遼 (著)



作者HP:かいきがどう - kaikigadou ページ!

Web:墨佳遼 | Matogrosso

よく「人馬一体」なんて言葉がありますが、このマンガは文字通り上半身が「人間」で下半身が「馬」、つまりケンタウロスが主人公の和風ファンタジーになってます。だからケンタウロスという言葉は出てこなくて、和風で「人馬」なんですね。

古代の日本、さしずめ鎌倉時代あたりの文化で、貴族が人馬を奴隷として使役している社会構造になっている。人馬は、戦国の世では戦の道具としても優秀で、そのため人馬の尊厳を奪っている、残酷な世界。

野を駆け回る牡馬の松風は、息子をかばって人馬狩りに捕まってしまう。

普通人馬は、反旗を翻すことのないよう両腕を斬り落とされる運命だ。しかし松風は美しい赤髪の名馬だからか、両腕は残したまま調教小屋に入れられてしまうことになる。

そこに現れたのは、最高の駿馬と評されている小雲雀(こひばり)。優男風のイケメン人馬は、松風に脱走計画を持ちかけるのだが……。



まず触れたいのが画力のすさまじさ。躍動感溢れる馬の流線など、まるで絵画のように描かれていて、冒頭から目を奪われるほど。
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特に荒々しい気性の松風の力強さが、作者の極太のタッチと相性が良い。この後ろ足の蹴り上げとか、人が100人は殺されたそうだけど、さもありなんという説得力がある! 人間部分も、背中の筋肉隆々とした肉付きなど、漢らしさ全開ですね。

かと思えば小雲雀の中性的な美しさも抜群で、松風とは別方向の美麗さが感じられる。

この性格も育ちもバラバラの二人(二頭?)が追っ手から逃れて、時に雪崩といった大自然に翻弄されて、時に人間に騙されて、それでも松風の妹へ会いに行こうとするのが一巻の流れ。

人間よりも人らしく、馬よりも雄々しい生き方のド迫力が魅力! 続きが早く読みたくて、2巻が今から楽しみだ。

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 永田カビ (著)

漫画

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 永田カビ (著)



去年話題になっていたこちら、『このマンガがすごい!2017オンナ編』で第3位という高評価の衝撃作。

「レズ風俗」というパワーワードに印象を持っていかれる感じだけど、語られているのは、孤独感とか、居場所がないとか、精神的にキツイ思いをしている一人の女性の、生きづらい世渡りの壮絶なノンフィクションになっている。

拒食症で身体の傷が全然癒えなくて、ヒーターに当たるだけで火傷したり、過食症でバイトの休憩時間にカップ麺を生のまま齧るほど飢えていて、スープの粉を振りかけても隙間からこぼれ落ちるので味がしないエピソードまで。もうその筋の人しか体験できない、生々しい実例がバンバン出てくる。

特に感じるのは、親から認められたい、親のご機嫌を取りたいという強迫性障害の苦しみ。でもそこから開放されたいために、いきなりレズ風俗を体験するという、一足どころか、何足も飛びまくってるよそれ!!

「自分で自分を大切にしてない、自分の気持ちをわかるようになりたい」という気づきによって永田カビ先生はレズ風俗を体験するんですが、風俗のお姉さんに心を開けなかったという後悔はあるものの、覚醒したように漫画家として前向きに前進していく、爽やかな〆は希望を感じさせる。



永田カビ先生の心の病は、エロへの抑圧、性欲を否認し続けたことで、心のバランスが崩れていたのかなと感じる。なので「ハグされたい」願望の突出した執着に繋がって、母性(女性)に抱きしめられたいって気持ちに転化され、その延長線上にレズ風俗があったわけだ。

精神障害の話は、なかなかに読む側もエネルギーが消費されて、引きづられるとダウナーな気分になってしまう。

無論それが悪いわけではなく、永田カビ先生がここまであけすけに心情を吐露して訴えてくる切実な心の叫びが、読むと一生忘れられない作品に仕上がっている。

永田カビ 12/10『一人交換日記』(@gogatsubyyyo)さん | Twitter

「永田カビ」のプロフィール [pixiv]

「漫画家としてしか、生きていけない」永田カビさんインタビュー - pixivision

『ヴィンランド・サガ』から教えてもらった、人の世の生きづらさと、それでも自分を貫くことの大切さ

漫画

なぜか自分は人生が辛くなると読み返すマンガがありまして、それが幸村誠先生の長編マンガ『ヴィンランド・サガ』であります。



あらすじ

千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!!


■世間に迎合することができないグズリーズ、その心の悲鳴

心が弱ってる時にこのマンガを読み返す理由がよくわからなかったんですが、どうやら私は、登場人物たちの生き様に強い共感を覚えているからじゃないかと気づいた次第。

今回共感を覚えたのは、15巻から登場するグズリーズ。



彼女は明るくて元気いっぱいの少女なんだけど、家事は苦手で「女らしくない」と周囲の大人から呆れられている。

そんなお転婆娘にも、いよいよ結婚の話が舞い込む。

それも豪族のハーフダン、その息子シグルドというこれ以上ない縁談に、義理のお姉さんも大喜びで祝福する。

だけどそれは、グズリーズの本意ではなかった。

彼女は幼い頃からレイフに、いろんな船旅の思い出を聞かせてもらっていたので、しだいに海に憧れを持つようになった。

瞳をキラキラさせてレイフの冒険譚に聴き入っているような少女は、いつか大海原で冒険したいという気持ちを、大人になってからも持ち続けている。

そんな跳ねっ返りの性格なので、当然、恋とか愛なんてまったく興味がないまま育ってしまった。

なのでシグルドとの初夜を迎えたグズリーズは、シグルドの足を刺して逃亡してしまう。

逃げてきたグズリーズは、主人公・トルフィンたちに胸中を打ち明ける、このシーンに刮目してほしい!

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「みんなが……当たり前にできることが、できなきゃいけないことが……っ できない……」

「でも……っ どうしようもないんだ 自分でも……」

※16巻より

もうね、号泣です。私自身も昔からそうだった。

クラスメイトたちが騒いでいる音楽とか芸能人とかにちっとも興味が持てず、無理して話を合わせようとしてCDを聴いたりトレンディドラマを見てみたけれど、ちっとも楽しくなんかなかった。

一般の人と世間話ができないのも辛いんですよ。

みんな明日は天気だとか、昨日見たTVがどうだとか、普通に会話してる。

でも、自分にはそれができない。急に話しかけられても、なんて返事すればいいのかものすごく難しくて、心が悲鳴を上げるような痛みがしんどい。

そういう事態に陥ると「自分は社会に適合しない、ダメな人間なのだ、人間失格だ」というみじめな気持ちに陥ってしまう。

これ、普通に会話できる人には絶対理解できない感情だと思うんだけど、わかってくれる人もいますよね?


だからグズリーズが感じている閉塞感には、ものすごく共感を覚えるんです。



■困難でも己を貫く生き方を選ぶトルフィンとグズリーズに、人生の理想を見た

ヴィンランド・サガ』で描かれている物語には、時に残酷な悲劇がままある。何の罪もない平和に暮らしていた村が、いきなり傭兵たちに皆殺しにされたりするという、目を覆いたくなるシーンが日常のように起こっているのだ。ん~エグい。

そんな理不尽や不運から、グズリーズのような悩み、一度復讐に堕ちたトルフィン。

さらにトルフィンの敵であるアシェラッドに至るまで、弱者から強者に至るまで誰もが苦悩しながら、それでも生きることをやめずに前に進む物語になっているところに、ものすごく夢中になれる。

一度は奴隷にまで身をやつしたトルフィンは、復讐も、闘争も、すべてを飲み込んで「戦争も奴隷もない平和な国」を作ることを目指す。
その前向きな姿勢には、私の心のあり方にも大いに影響されて、すごく刺激されてしまう。

「どうして、自分の生き方を、自分で選べないの?」

グズリーズは問い、トルフィンは答える。

「選べるさ」

「ただし、」とトルフィンは付け足す。

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「生きてここへは戻れないかもしれない。それでも一緒に来るかい?」

お前(グズリーズ)が選ぼうとしている道は、険しい道なのだと諭す。

本当は結婚して子供を産んで育んで、織物を編み、羊の世話をして社会に溶け込むことの方が、人生も楽には違いない。周囲の大人は望むし、家も繁栄する。

でも、そんな当たり前のことが苦しくて辛いというグズリーズは、一緒に船旅に出ることを決意する。

……まあノルドの男が名誉を傷つけられて黙っているわけはなく、シグルドからの追っ手から逃げるためというのも大きいんですけどね。

でもこのやり取りからは、己を貫くことの困難さと、それでも自分を曲げずに生きていこう!という力強いメッセージを感じる。

私にとってのヴィンランド(理想郷)を探す旅も、自分を貫かないと見つけられないものだろうから。


ヴィンランド・サガ』といえば、バイキングの派手な戦闘もかっこよく、緻密な絵から伝わるド迫力も魅力的です。

ですが「動」の部分と同じくらい、こういう「静」のシーンにこそ、作品の深みが増すエッセンスが凝縮されているところに、私は惹かれるのだなあと思います。