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3万人が富を築いた お金をふやす教科書 (角川マガジンズ) 稲葉 充著 の感想

3万人が富を築いた お金をふやす教科書 (角川マガジンズ) 稲葉 充 (著)

7割方役に立ったと感じたので、良書と判断して紹介。

「高度成長期の時までの常識だった、貯金していれば増える、生命保険に入るのは当然の事、といった固定概念から抜け出せていないために、お金に対する知識も経験も運用も非常に劣っている。そのために騙されるようにお金がすり減って貧乏になっている。」

という考えで、それはその通りだと思います。時代はバブル崩壊から価値観が変わっているので、一人ひとりが、金融についての知識をアップデートしていかねばならないんですよね。

そこで本書は、学校では教えてくれない、資金運用の基礎知識を説いています。

「資産運用は損するもの、怖いもの」という、老害(ゲフンゲフン)……昭和の皆様の価値観は、「『勤労』こそが美しい、資産運用なんてダーティだ」と投資に否定的で、『リスク』に対してネガティブに考える傾向だけど、それは知識がないからであって、正しいノウハウを身につける心構えを教えてくれます。


リスクのないところにリターンなし。ですが「本物の投資」は投機やギャンブルとは、全く違う!と断言してます。「Aに対してダメだった時のためにBも持っておく」、という風に「もしかしたら」に対して対策を打っておく事が重要で、つまりリスク分散投資なんですね。
(反対に、「これにかける!」と一点集中して、外れた時のことを考えないのがギャンブル)

これは今まで読んだほとんどのお金の本で薦められている事で、その方法を正しく運用することで老後に備えましょうというのも正論で、自分も心がけようと思いましたし、リスク分散投資の具体的な方法も本書に書いてます。


さらに「生命保険がいかに酷いものが多いか」って話は同意で、そもそも保険とは、人を車で轢いてしまった賠償金とか、家が燃えて何千万円が一夜で消えた時のための火災保険が正しくて、がん保険入院保険など貯蓄で支払える程度のリスクに対しては無意味とバッサリ。保険は「発生頻度」じゃなく「損失の大きさ」で考えろ! との論調に、おおいにうむ。
これも右肩上がりで給与が上がっていった昭和ならいざしらず、今その手の生命保険に入っているとお金が貯まらないとのこと。


で、資産運用のやり方として、「債券や株など商品に分ける」「長いスパンで投資していく(時間を分ける)」というドル・コスト平均法 - Wikipediaの考えですね。
これはリスクコントロールのやり方として広く浸透してますよね。


また年齢別ライフスタイル別資産運用法というのは、自分が生きていくために、今後こうしていけばいいという指針の一つになると思います。40代~50代が資産を増やす最後のチャンスというのは衝撃というか反省というか、若い時にもっと意識高い系になってればよかったかなあ。
僕、20代30代ってフィギュア買ったりゲーム買う事にオタク人生をかけてて、場当たり的なお金の使い方だったので、貯蓄とか投資とか、まったく意識したことなかったので……。


「必要なものと欲しいもので色分けしていく家計簿の付け方で無駄な支出を減らす」「投資した過去の金額も通算して把握しておく」など、お金とのつきあい方を丁寧に教えてくれます。


ただ本書で懐疑的なのは、変額保険について。過去に日本で何度も失敗していて、現時点では日本でそれを提供してるサービスが少ないという。過去には失敗して他の保険会社に売られたケースもあるそうですが、それだと投資額以上に貰えそうもないんですが、今後そのリスクと向き合うに足るとは思えないかなあ。それだったら確定拠出年金DCの方が良くない?と思ってしまいます(個人の感想です)

あと投資信託の具体的な銘柄を多数紹介してるんですが、投資信託に関しては


この「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」の山崎元さんが投資信託の99%はクソだらけ! 最適解は、海外はニッセイ外国株式インデックスファンド、国内はMAXIS トピックス上場投信【1348】を買え!」って一刀両断してて、そっちを信じているのですが(笑)



今の日本って、お金のこととなると「学校は教えてくれない」「親や年配者は時代錯誤で間違ったことを吹き込んでくる」「銀行員含めて金融関係者はカモにしてくる」という四面楚歌な状況になってて、結局は自らが学んでいかないと、のちのち社会や人生で躓いてしまうんですよね。

生きていくために必要なことなのに、だれも教えてくれない。そんな世の中で騙されたり毛躓いたりしないために、自主的に勉強したいと思っている人にオススメしたい一冊です。