少年ジャンプ+新連載『俺を好きなのはお前だけかよ』マンガ:伊島ユウ 原作:駱駝/ブリキ 感想
『俺を好きなのはお前だけかよ』マンガ:伊島ユウ 原作:駱駝/ブリキ
※1話、2話のネタバレあります
可愛い系幼馴染み・ひまわりと、クール系美人の生徒会長・コスモス先輩。
その二人から頼られている「如月雨露」(ジョーロ)は、平凡で鈍感な無害なキャラとして着実に仲良くなってフラグを積み上げていた。
そんな折、コスモス先輩から呼び出されることになったジョーロは、ついに告白される事を覚悟して、キメキメの私服で待ち合わせ場所へ向かうのだが……。
電撃文庫の新シリーズで非常に勢いのある新感覚ラブコメ『俺を好きなのはお前だけかよ』。
その人気作がKADOKAWAではなく、集英社にてコミカライズがスタートしたというのが意外であった。
この『俺好き』のどこか新感覚かというと、今までの王道ラブコメにありがちな設定や展開の裏をかくギミックが満載なんですよ。
例えば主人公のジョーロは、ラブコメやギャルゲーにありがちな特に個性のない、鈍感で地味な男の子……の皮をかぶった、計算高い腹黒キャラ! つまり、あえてモテるために外面を変えているわけです。
ジャンプ漫画では『デスノート』の夜神月以来の悪どい主人公キター!
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ところがヒロインたちも負けてない。コスモス先輩もひまわりも、意中の人はジョーロ……の親友という酷いオチ。
策士、策に溺れるジョーロだけど、ここからの不屈の闘志がすごい。
「どっちかの恋が成就したら、片方のおこぼれをもらう」とかね、もうホントにゲスの極みってこういうことだよっ!!
この1話と2話だけでも、ジョーロの空回りのおかしさが存分に味わえます!
そしてここから下心丸出しの恋のサポートが始まるんだけど、原作小説でもコミカライズのイラストでも、もう一人、黒髪で三つ編みのメガネっ娘がいますよね。
この子が一番の爆弾でして、最高のイチャラブ学園生活をエンジョイしたいジョーロにとって、もっとも障壁となるラスボス的存在なんですよ。たぶんこの次に出てくるはず。
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ということで、はじまったばかりの『俺を好きなのはお前だけかよ』。漫画の構成は原作よりもだいぶ改変してるんですけど、逆にわかりやすくなっていて読みやすいと感じました。
小説は感情の機微を描くのに適した媒体で、漫画はスピーディな展開に向いている媒体。その違いを逆手にとっての、こうした大胆な改変はむしろ歓迎です。
「メディアの違いを理解せよ」って桜野くりむさんも言ってたしね!
いきのこれ! 社畜ちゃん(2) 結うき。 (著), ビタワン (その他) 感想
いきのこれ! 社畜ちゃん(2) 結うき。 (著), ビタワン (その他)
IT企業に勤めるシステムエンジニアの社畜ちゃんが、同期ちゃん(おっぱい大きい)や後輩ちゃん(けなげ)らと過ごすブラック労働環境コメディ!?
例えば飲み会のたびに「有給とったら何したい?」って話題が毎回ループしてて、つまりまったく実現してないとか、いや~これ笑っちゃうんだけど、冷や汗も同時に出る感じ!
笑いの中に込められた社畜ネタっていう毒がブラックユーモアに昇華されている。なおかつ絵柄が非常に萌えまくる女の子たちだから、どこか癒やしもあるっていう、なんとも不思議な読後感がありますよね。
これが「いきのこれ! 社畜ちゃん」の個性になっている。
あと新登場のバイトちゃんもいいよ!スマホゲー廃人だけど!
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本編は4コマなのでユーモラスなオチが多いんですけど、後輩ちゃんの独り立ちを描いた描き下ろし漫画は、おまけとは思えないくらい読み応えのあるドラマになっている。
いつも頼ってくる後輩ちゃんが一人で書き上げたコード。それをチェックする社畜ちゃんは、違和感のあるコードを見つける。もしかしてサンプルコードをコピペしたんじゃ……? というシリアス展開、実にいい話だった。
「社畜」というネガティブワードを、ポジティブに昇華した意欲作。労働環境つらい職場も、これを読めば頑張れる……かも!?
新米姉妹のふたりごはん3 柊 ゆたか (著) 感想
新米姉妹のふたりごはん3 柊 ゆたか (著)(Kindle) 感想
親の再婚で突然姉妹になった食いしん坊のサチと、料理上手なあやりのハートフル料理マンガ。
もはやこの表紙、帰宅する旦那と新妻のようじゃん!
何この夫婦……最高かよ。
最初はよそよそしく、お互いの距離も気持ちも掴めなかった1巻と比べると、だいぶ仲が進展しているんですよね。
それがはっきりわかるのがこのコマ。
あやりは緊張したり慣れてない人が相手だと顔がこわばってしまい、相手を睨んでいるような顔つきになってしまうんですね。
サチなんか一度、指を詰められると勘違いしたくらい。どんなヤクザ映画だ。
そんなあやりのコワモテ顔も、3巻のサチではすっかり慣れてしまっているわけです。
むしろ、あやりの緊張した顔=これから美味しい料理が食べられる!とばかりに期待に満ちているほどに。
時間の経過で、サチとあやりの関係性も変化していることを示す良いシーンだなと思うわけです。
そんな二人が週末いっしょに買い物に出かけたり、クリスマスカードを交換したりと、血の繋がらない姉妹のイチャイチャ度も高まるばかり!
コタツの中でサチとあやりが足で「えいっえいっ」とか絡ませながらじゃれているの、本当にほっこりするんですけど、少しフェチっぽくもあって、読者の方が「ごちそうさまでした!」ってお礼したい気分ですわ。
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むろん料理も、スイーツから春巻き、はてはジビエ(狩猟によって、食材として捕獲された野生の鳥獣)まで多種多様。
特にジビエ編では、あやりの叔母さんが初登場!
こんな美人の猟師がいるなんて! やっぱりマンガの世界は素晴らしい!(リアルでもいるかもしれんけど)
この叔母さん、絵梨のさりげない心の動きを察知していたりして、なかなかあなどれなかったりする。
サチとあやりが仲良くなっていくにつれて、サチの親友である絵梨は、距離が遠ざかってしまったみたいで寂しい顔をたまにするんですよね、切ないわー。
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あやりは相手に思っていることを伝えるのが苦手な、不器用な子。
そんな感情を表に出すのも苦手な少女が、料理に自分の想いを乗せて、最近出会ったばかりの姉に振る舞う。
サチは、そんな心がこもった料理を食べて全身で表現する。
あやりは、自分の料理でサチの喜んだ笑顔を見て、自分も笑顔になる。
料理を通じて新米の姉妹たちがまるで心のキャッチボールをしているようで、その心の交流に胸を打たれる作品なのだ。
関連リンク
ゆたか(@yutaka7)さん | Twitter
『新米姉妹のふたりごはん』特設サイト | 月刊コミック電撃大王公式サイト
運を支配する (幻冬舎新書) 桜井章一 (著), 藤田晋 (著) 感想
運を支配する (幻冬舎新書) Kindle版 桜井章一 (著), 藤田晋 (著) 感想
無敗伝説の麻雀の鬼こと桜井章一氏と、サイバーエージェントの藤田晋社長による運の哲学。
>麻雀でも、ビジネスの世界でも、懸命に努力したからといって必ず勝てるわけではない。勝負に必要なのは、運をものにする思考法や習慣である。その極意を知っている人と知らない人とでは、人生のあらゆる場面で大きな差がつくのだ。
とあるように、桜井氏の麻雀哲学→藤田氏がそれをビジネスに置き換えて解説、の構造になっている。
・目標はだいたい、アバウトでいい。かっちり決めてしまうと、融通がきかなくて失敗する
みたいに。ぶっちゃけいろんな自己啓発書で語られている内容と大差がないんですが、だからこそ正しいことが書いてあるように見える。
いろんな成功者が同じことを言っているわけですからね。
例えば「パターンができたら自ら壊せ」っていうのは、成功しているときこそ、そのパターンが通じなくなってきたときのために変化させるというのは、プロゲーマーのウメハラ氏も同じことを言っていたことを思い出す。
つまり勝負事に身を置いているからこそ生まれる強さっていうのがあるんだろうなあと。
「順風の中で危機感を抱けるか」が大事らしいけど、僕の場合は過去を振り返ってみると甘んじてますね、反省。
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特に「自分のタイミングで勝負しない」という考え。痺れをきらせて自分から動くと負ける。功を焦って動くと失敗する。
自分を信じてどっしり構えろっていうのは、僕もいろんな自己啓発書を読んでわかった気になっていても、なかなかそれが実践できないんだよねぇ。
など、色々と自分の弱さを知ることができた一冊。
でも、知っててもそれを実行できるのかは別で、ほとんどの人はそれをできていないからこそ、桜井氏や藤田氏のような傑物はそうそうでてこないんだろう。
とりあえず僕も勝負事に身を置くために、シャドウバースを始めました! Cygames(サイバーエージェント)のゲームだしね!
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起業家 (幻冬舎文庫) Kindle版 藤田晋 (著)が356円
渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉 Kindle版 藤田晋 (著)が273円
でKindleセール中になってますね。