かーずSPの戯れ言

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『天野めぐみはスキだらけ!(5)』がさらにスキだらけだった件

天野めぐみはスキだらけ!(5)がさらにスキだらけだった件



高校一年で真面目なガリ勉の進藤 学(しんどう まなぶ)は、元気いっぱいの幼馴染の天野 めぐみ(あまの めぐみ)に翻弄されっぱなし。
バスで隣に座ればスカートがめくれたり、自転車に乗ればパンツが見えたり、雨で濡れてブラウスからブラが透けていたり……。
そんな隙だらけなめぐみにドキドキしたり、周囲からの視線をガードするために悪戦苦闘したり、ちょっとエッチなハートフルラブコメ

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とりあえずページをめくれば、めぐみのギリギリのポーズが載っているくらいのサービスっぷりに、ねこぐち先生ありがとう!
しかもですね~、幼なじみって関係を利用したゼロ距離スキンシップが最強技なんですね!

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まー君いつも心臓バクバクで勉強が手につかず!


めぐみのパンチラブラチラ太もも脇チラなどなど、フェチな魅力にクラクラしちゃうんだけど、その根底に流れるのは、まー君とめぐみの、暖かくて理想の幼なじみ像だ。

幼い頃からお互いを知っているのであけすけに、家族同然に接する同い年の異性。気兼ねなく一緒に帰宅して、お互いの部屋で勉強会をする二人の姿は、誰もが羨ましいと思える心地よい関係性なんだと思う。

でも学には、他校に通う片想いの女の子がいて、めぐみはその気配を察するたびにやきもきしてしまう。
学とめぐみ、二人の完結した内なる世界にこもるのではなく、二人の関係を壊しかねない不安要素もしっかり用意されているので、読み手の心がザワザワしてしまうあたりも上手な描き方だなーと感心するばかりです。

公式サイト:WEBサンデー|天野めぐみはスキだらけ!

奥寺先輩は三葉よりも新海誠作品の正統ヒロインなのではないか論(『君の名は。』ネタバレあり)

性懲りもなくまた『君の名は。』の話。ネタバレあり注意。

君の名は。』の第二弾パンフレットが映画館で発売開始されました。で、ファンからの問答コーナーにて、

質問「終盤、司の左手薬指に指輪がありますが、学生結婚したのですか? 相手は奥寺先輩ですか?」

新海誠「よく気づきましたね! あくまでも裏設定ですが、奥寺先輩と婚約したのだと思っています。」



ね? ね? ね? ほらほら!!!! やっぱりそうじゃん!!

『君の名は。』二回目観てきた(ネタバレあり) - かーずSPのはてな

僕、前から言ってたでしょ?! やっぱり奥寺先輩の婚約者は司だったんだよ!!
……まあ僕、三回目の時は終盤のカフェでの司の指、めっちゃガン見みてたんですけど指輪に気づけなかったんですが。
しかも奥寺先輩が地方に勤めてるっていうから、司と遠距離恋愛ってのもやや無理筋かなと確信が持てなかったんですが(笑)、いやーよかったよかった。
どこの馬の骨にくれてやることもなく、司だったら奥寺先輩を幸せにしてくれるよ!(どこから目線だ)


で、である。
旅行前の奥寺先輩が瀧に好意を持っていたのは、瀧の体に入った三葉であって、つまり奥寺ミキは、三葉に恋してたってことになるんですよ。
つまり奥寺先輩は「三葉」って名前も知らない相手に恋をして、勝手に冷めてしまったわけで、むしろ瀧x三葉よりこっちのすれ違いの方が切ないわ!
「好きだったんだあ、あたし」っていう言葉の重みたるや。

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新海誠監督の芸風は、会えない男女の切なさを綺麗な映像で表現してる」って今もTVやメディアの記事で散々言われてますけど、瀧x三葉よりも奥寺ミキx三葉の方が、過去の新海誠作品の特色を色濃く継承してるのではないかなと思った次第。

つまり、『秒速5センチメートル』の篠原明里、『言の葉の庭』の雪野百香里に連なる新海誠流ヒロインって、もしかして三葉よりも奥寺ミキのほうが正統後継者なのではないだろうかと思うんですよね。

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まあでも司と結ばれて結婚して、瀧と三葉も結婚するなら、三葉とミキって知り合うわけですよね。
三葉の方は一緒にファストフード行ったり仲良くなっていたりといった記憶がないままで、ミキの方は、「あれ?あの頃の瀧くんっぽいな」くらい思い出すかもしれませんが、ここでも真実には到達できない二人の、結ばれることのない友愛も、僕に憂いの感情を呼び起こさせるのでした。

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※台無しなことを言うと、奥寺先輩と三葉の百合ップルって最高だと思うんですが、いかがでしょうか。
お互い人妻同士でもいいし、JDxJKモードでもいいんですが、ぶっちゃけ想像するだけで興奮します!
……という、最後にゲスなオチ。

『このマンガがすごい! 2017』に参加してます。そこでかーずSPが選んだベスト5の漫画についての解説


このマンガがすごい! 2017という本にて、私かーずSPも選者として参加しております。

135ページ。あと99ページのサイコミのコメントも私です。

総合の詳しいランキングは本を買っていただいて確認していただくとして、ここでは、私が選んだ5冊について語っていきます。

「このマンガがすごい! 2017」という本の意義はキュレーション……今のご時世だとこの言葉は印象悪すぎるので、コンシェルジュやナビ的なガイドブックだと捉えています。
濃い漫画読みたちがおすすめする作品なら、自分も読んでみようという流れですね。

なので、まず全体的に選んだ理由は、フレッシュであること。
既刊が3巻くらいまでで、これから伸びそう、さらに盛り上がりそう、という将来性のある作品をチョイスしました。
今年綺麗に完結した「市場クロガネは稼ぎたい」や「暗殺教室」も入れたかったんですが、そういう理由で除外。

あと毎年言ってるんですが、便宜上ランキングつけましたけど、どれも甲乙つけがたいので「かーずSPが薦めるマンガ5選!」という感じです。

5位 フルチャージ!! 家電ちゃん

家電のアイちゃんは、「充電しないと止まる」「ルンバに対抗意識を燃やして失敗する」などポンコツなんですが、「家電であることをギャグのネタに昇華してる」匠の技が素晴らしくて毎回大笑いしてしまう。
さらにケイやミリーといった人型ロボットのライバルも登場してのドタバタが楽しすぎて、絵柄も見やすくて、「俺、今年はこれが好きです!」と大声で言いたい作品。

作者Twitterこんちき@「家電ちゃん③」発売中!!(@konchikidon)さん | Twitter
関連サイト:フルチャージ!! 家電ちゃん | 少年ジャンプ+

4位 新米姉妹のふたりごはん

料理はからっきしの僕ですが、あやりが料理の時に髪を縛るのがかっこよかったり、食べた時のサチのリアクションも、料理によって毎回違っていて飽きさせない。
やっぱり、サチとあやりの初々しい姉妹っぷりの関係性を上手に描いているんですよね。
あやりは顔が怖いので、ビビるサチが指を落されると勝手に誤解したりするんですが、だんだんコミュニケーションが取れてきて、仲良くなっていくとあやりの怖い顔=何かを思案してるとサチが理解してる。
そこに親友も絡んできて、百合ではないものの、女の友情も心地よく描かれている。
あやりのブラの大きさにショックを受けるサチ、あやりの味覚が大人なのにショックを受けるサチ、いろんなサチの顔芸にも注目!

作者Twitterゆたか(@yutaka7)さん | Twitter
関連サイト:『新米姉妹のふたりごはん』特設サイト
新米姉妹のふたりごはん | 月刊コミック電撃大王公式サイト

3位 ど根性ガエルの娘

今年もっとも衝撃を受けた一冊だった。吉沢やすみ先生は『ど根性ガエル』を大ヒットさせた後、スランプに陥って人生の谷底まで落ちる。ネタバレしちゃうと、駅のトイレ掃除が過酷すぎて、読みながらうわわわーって涙目でした。
そんな父親の元で育った娘の実録マンガなわけで、今年最大のノンフィクションと言える。
で、お母さんはまっとうかというと、今公開されている14話 →ヤングアニマルDensi で、明らかにされる事実がまたエグい!
まあこれも、今は仲直りしてるからこそマンガにできるんでしょうけど、僕なら途中で自殺してるかもしれん…。

作者Twitter大月悠祐子(@inunohana66)さん | Twitter
関連記事:「ど根性ガエルの娘」大月悠祐子インタビュー
関連サイト:ヤングアニマルDensi

2位 やがて君になる

僕がここまで百合にハマったのは『マリア様がみてる』以来。それくらい素晴らしい、百合界に颯爽とやってきた新星・仲谷鳰先生!(←百合の世界入門のややパクリ)
百合としての良さもあるけど、恋愛ものとしても秀逸で、侑は好きになるという気持ちがわからない子。
そんな子が美人の先輩・七海燈子に言い寄られて、恋愛とは、特別な人になるってどんなこと?と模索しながらも学園生活を送っていく。
それは思春期で多くの人が経験したことでもあって、その瑞々しい悩みは大勢が感情移入できる。
百合だからと思わずに、多くの人に読んで欲しい青春ドラマです。

作者Twitter仲谷鳰 | やが君3巻発売中(@nakataniii)さん | Twitter
関連サイト:電撃コミック大賞金賞受賞作家作品『やがて君になる』特設サイト | 月刊コミック電撃大王公式サイト

1位 終末のハーレム

女の子が可愛い&お色気!SF!パンデミック!と面白いところが山盛りになってるので、そんなご馳走、旨いに決まってるだろ!
「男が自分だけになって、みんな女だらけになったらモテまくってエロくて幸せだよね」って妄想から、ここまでシリアスかつサスペンスな展開ができるのかって驚きもあって、女がゾンビみたいに襲ってくるっていうね、もう怖いわ。
まあやっぱり魅力的なヒロインが多いのが俺的勝因。美来も可愛いけど、朱音のエロ姉さんぶりやロリ枠の翠(スイ)の無垢さ、映画女優の北山玲奈などなど。
今は主人公を変えての第二部が展開で、先が読めない面白さも良い。

作者Twitter宵野コタロー@土テ51a(@kotaro_shono)さん | Twitter
関連サイト:終末のハーレム | 少年ジャンプ+

■ 以上が今年選んだマンガ5選でした!
長期連載ものも含めると『僕のヒーローアカデミア』『火ノ丸相撲』『トクサツガガガ』『はねバド!』『ふらいんぐうぃっち』とか、大好きなマンガについて語るとキリがなくなるんだけど。

来年入れるであろう、今リアルタイムにハマってるのがイチゴーイチハチ!、これも青春ド直球のこれから名作になるであろうマンガ。
あと既刊3巻までって縛りを緩めれば、ゆらぎ荘の幽奈さんも入れたいなあ。

まあそんな僕よりももっとマンガをたくさん読んでいる選者たちが集まって決まった『このマンガがすごい! 2017』をどうぞ読んでみて、さらに面白い漫画との出会いを楽しんでください。

『君の名は。』感想と考察(『秒速』『言の葉の庭』『君の名は。』ハッピーエンド論について)

君の名は。』感想と考察(『秒速』『言の葉の庭』『君の名は。』ハッピーエンド論について)

※本稿には『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『君の名は。』のネタバレあり。
さらに本稿は『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』に否定的な発言が多々ありますので、両作品が好きな方はスルーしてください。


どんなに面白い映画でもさすがに三回目ともなれば、冷静に見られるというもの。さて、今度はお気楽気分で拝見いたしますか……。


「み゛づ ば~~~~~~っ!!」
(涙と鼻水まみれ)

という即堕ち2行をかましてしまいました!!! いや~~~『君の名は。』最高じゃないですかっ!!

僕の人生のオールタイムベストに、間違いなく文句なくエントリされました!(『トリコ』の美食家のフルコースに、ひらひらとメニューが追加される感じで)
※ちなみに私のオールタイムベスト、他には、原田知世の『時をかける少女』、アニメの方の『時をかける少女』、『ターミネーター2』などがある……って、全部タイムリープものかよっ!

君の名は。』は見れば見るほど掘り下げたくなる要素がたくさんあって、例えば彗星が落ちてきた時の音、キイイィィーン!!って金属みたいな音なんですよね、ドカーンじゃないんです(劇中ドカーンは発電所の爆発のみ)
なんでこの音を使ったのか問いたいんですが、印象に残ってるので。映像演出的になにか意図があるんでしょうね。気になる~。

最近、このはてなブログで、
「アニメや漫画なんて嘘の話じゃん、なんでそれで感動できるの?」と煽られた場合の対処法 - かーずSPのはてな
『君の名は。』二回目観てきた(ネタバレあり) - かーずSPのはてな
と立て続けに二回語ってるのにまだ言うかお前って感じですが、まだ言うんです!言い足りないんです!! ってくらい惚れ込んでしまいました。

上のエントリでは映画を見終わった後の自己不全感の話をしたんですが、映画を見て、公式ビジュアルガイドで映画を思い出して、小説 君の名は。君の名は。 Another Side:Earthboundで咀嚼して、もっかい映画を見て、ビジュアルガイドを(略)と、何度も噛み締めているうちに、ある時、ぱーっと世界が開けて、不全感も吹っ飛んだんです。
こんな美しいモノがこの世に出てきた。これからも出会うかもしれない。なんの不満があるのか、明日は明るいと。そういう前向きな気持を、言葉ではなく身体と心の奥底で理解したんですね。

人生で感銘を受ける作品というのは、音楽、小説、漫画、アニメ、ゲームなど色々あると思うけど、それは人生を生きるエネルギーを与えてくれる。自分にとっては、『君の名は。』はそういう作品になったなあと思う。

さて、なぜ『君の名は。』が新海誠監督の過去作と比較して飛び抜けているのか。Z会大成建設のCM、minoriのOPを含めて『ほしのこえ』以降の作品も全部イッキ見するオフ会に行ってきたんですが、改めて『言の葉の庭』以前までの過去作を見た感想は、 「新海さんってほんとにキャラに興味ないんだな」
って思いました。

綺麗な情景と、男女。その1シーンの美しさに命を込めている反面、人物が小道具にしかなってなくて、主人公には友達もいない、女と別れて孤独になろうが、余韻がすべてっていう割り切り方になっていた。

反面、オタクコンテンツの文脈は「キャラクター重視」でできているので、それにどっぷりの僕にはそこが合わなかった。『雲のむこう、約束の場所』も描きたいシチュエーションがあって、そこに人物を配置している感覚。映像美至上主義だなと。

オタク文化だと、例えばそのキャラクターが映像以外のところで、普段は何を考えているのか、好物の食べ物は何か、放課後は何をして過ごしてるのか、休みの日は? パンツの色は? そういう事が想像できるほど血肉が通っているのがキャラクター文化なんだと思う。

だって『秒速5センチメートル』の明里ちゃんが何色のパンツ穿いてるのか、ちっとも想像できんもんね!!

唯一、花苗ってサーファーの子はまだ「水色のパンツ穿いてそう」くらいには妄想できるんだけど、そんな花苗ちゃんは貴樹とくっつかんし! あれだけ気を持たせておいて、なんなのこれっていう。

キャラの魅力でいうと新海誠作品の主人公は男がみんなウジウジしてて、『言の葉の庭』のタカオとか引っぱたいて喝入れたいくらいだった。


そんな新海誠作品だったのですご~く警戒してたんですが、『君の名は。』は、めっちゃキャラクター重視じゃないですか! いったいどうしたの新海監督? 何か悪いもんでも食べたのかなってくらい。

四葉たちサブキャラの生き生きとした姿をみよ! サヤちんに股ひらいてるところ注意されたり、テッシーたちとバス停をカフェにしたり、無謀な旅行に付いていっては瀧を助けるところか観光で大ははしゃぎしてる奥寺先輩と司、みんな輝いてるじゃん!!

四葉といえば、「口噛み酒をブロマイド付きで売って東京の資金にしよう」って「何言ってんだこのJSは」と思ったんですが、三葉の「酒税法違反」ってところまで、ギャグも大笑い。
キャラ立ちすぎでしょ、OKOK!そうそう、こういうのが見たかったんですよ新海さん!

瀧と三葉の超ポジティブさも気持ちよくて、ウジウジ悩む前に即実行! 「飛騨へ行くぜ!」「東京に彼氏に会いに行ってくる!」 そうそう!!これだよこれ!

新海誠監督が執筆した小説版を読んでも、角川スニーカー文庫じゃないにもかかわらず、めっちゃキャラクター小説になってるんですよ! やれば出来るんじゃない!

キャラに興味がない人が、こんなオモシロJSを生み出すなんてありえないので、この数年で意識改革があったのか、脚本を叩いてる時にいろんな人から言われて気づいたのか、次に新海誠監督にお会いするインタビュアーがいたらこれに切り込んで欲しい。


今までの新海作品の悪癖だった、「言わんでいい余計なことを言って、関係も雰囲気も台無しにする」って事も今回はなかった。 『言の葉の庭』は他の作品よりもかなり良かったんですが、それでも良い雰囲気で雪野先生と一緒にいたのに、ちょっと言われたくらいで逃げ出して、タカオが階段の踊場で「僕はあなたが嫌いです!」とか、「お前、それ、言うか~~!?」って思わずツッコんでしまいました。

だから『君の名は。』の奥寺先輩と失敗デート後の別れのシーンでも、「僕は先輩が嫌いです!年下の男を弄んでるんだ!」とか瀧くんが言わないかヒヤヒヤものだった(瀧くん、そんなキャラじゃないけど)

ラストもちゃんと相手の名前を訊いてましたよね!?
これ、『秒速5センチメートル』までの新海誠監督だったら、お互い声をかけずに別れてしまって、三葉は他の男とよろしくやって瀧は就活うまくいかずニートになるっていう寝取られエンドですよ! どこの同人CG集や。
というか僕、ラストで階段を登る瀧と降りる三葉のシーンで、もしかして最後に新海誠監督、カマしてくるんじゃないかって覚悟して歯を食いしばってましたからね。新海不信もここに極まれり。
瀧と三葉が出会わなかったら、ここまでハマることはなかっただろう。


しかし、である。これと同じようなエンディングで、大傑作となった映画があります。実写なんですが先程申し上げた原田知世さんの『時をかける少女』です。

時をかける少女 (1983年の映画) - Wikipediaにてネタバレエンドまで書かれてますが、ラストで和子は、深町くんと廊下で交差して、一瞬振り返るんだけどそのまま歩き去ってしまう。

僕は当時小学生だったんですが、このラストまで含めて拍手喝采、これも一生に残る名作として自分のオールタイムベストなんですけど、この差はどこから来るのか。

僕は大人になってから、現実は辛い事件も救われない現実も多いのだと、数多く見て知ってしまっている。だから創作くらいは、ハッピーで終わってほしいという想いが強くなったのか。
つまり、見る側の変化で、評価も変わったのだろうと。
つまり大人になればなるほど、人生経験も増えてくる中で、ハッピーエンド至上主義になっていくんじゃないかという仮説。

あるいは時代性。『時をかける少女』は高度成長期真っ只中で、アメリカとの経済摩擦も一番強かった頃、日本車が売れすぎてトヨタの車をハンマーで壊す労働者とか日本社排斥運動をTVでやっていたのを思い出します。
この頃は社会の雰囲気もオラオライケイケどんどんなので、現実で成功している分、フィクションでは、結ばれなくても儚い余韻を残す方を選ぶ。現在は経済成長ところか人口が減っていって世の中を不安視する声が蔓延している撤退戦のターン。だから、フィクションには希望を求めるのか。

この2つのうちどちらが正しいのかはまだわかりませんが、自分の感覚的には前者の方が、しっくりくる気がしてます。

■補論
じゃあハッピーエンドならなんでもいいんだろうか。というと、昔アニメで『舞-HiME』っていう、美少女学園アクションが印象に残ってます。
前半は可愛い女の子たちがキャッキャウフフしてたものの、中盤以降、次々に仲良しだったヒロインたちが殺し合うんです、好きな相手を取られた、妬ましい、同性同士で結ばれないからいっそ殺そう、とかいろんな理由で。『魔法少女育成計画』のように鬱展開まった無し。
……なんですが最終話で、なぜか死んだ人間が全員生き返るっていうね……。

ええーーーっ!!と頭の片隅で疑問符が渦巻いてたんですが、最終バトルの熱さに押されるように感動して、ああー良いアニメだったなって今もお気に入りのアニメ……ではあるんですが、この最終話の「なぜ?」だけは頭の片隅に残ったまま、もやもやしたままなのでした。